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プレスリリース

AI・ロボティクスによるイチゴの完全自動栽培に取り組む HarvestX が総額約4億1,000万円の資金調達を実施

2024-03-20

イチゴ自動栽培ソリューションを開発するHarvestX株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社⻑:市川友貴)は、プレシリーズA で総額約4億1,000万円の資金調達を実施いたしました。既存株主である「ANRI4号投資事業有限責任組合」、「DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合」、「オープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合」に加え、新たに「Dawn Capital 1号投資事業有限責任組合」、「SMBCベンチャーキャピタル産学連携3号投資事業有限責任組合」、「食の未来1号投資事業有限責任組合」と、「新生ベンチャーパートナーズ2号投資事業有限責任組合」、「しんきん-やらまいか投資事業有限責任組合」、「ヒューリックスタートアップ1号投資事業有限責任組合」を引受先としています。さらに、交付金※1の交付を受けております。これにより、合計資金調達額は6億1,000万円となりました。

※1:浜松市ファンドサポート事業。浜松市が認定するベンチャーキャピタル等の投資機関(浜松市認定ベンチャーキャピタル)から投資を受ける事業者を対象とした交付金。

今回の出資元の一覧画像

資金調達の背景と目的

現在多くの果菜類の植物工場では、一般的な農園と同じようにハチを工場内で飼育して花の授粉を行っていますが、植物工場のような閉鎖空間では、ハチがストレスでうまく飛べなかったり短命になったりするため安定生産が困難となり、大きな問題となっています。HarvestXはそのような課題を解決するため果菜類の中でも特に授粉の精度により形状の安定した果実の生産に影響が出やすいイチゴにフォーカスし、授粉、成長データ収集、収穫などを一貫して行う高度な技術を採用したイチゴ自動栽培ロボット開発しています。イチゴの授粉において世界初の技術となります。(特許第7090953号)自社内のイチゴ栽培実験施設やイチゴ植物工場事業者様での導入実験などを経てこの度、自動授粉ロボット「XV3」を主軸とするイチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」の提供が可能となりました。

HarvestX は今回調達した資金を活用し、イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」のさらなる付加価値拡大に向けた技術研究開発を進めてまいります。また、「HarvestX」を備えたデモ施設(パイロットプラント)を建設し、イチゴの生産に課題を抱える植物工場事業会社様や、新たにイチゴ植物工場の運営を検討される企業様に訴求してまいります。(2024年5月に第一期完成予定)。同施設開設を足掛かりに、まずはイチゴのワンストップ生産を実現、その先にトマトやメロンなど授粉を必要とする果菜類への応用展開を視野に、HarvestX はさらなる事業拡大に向けて取り組んでまいります。
※デモ施設の運営開始や詳細については、開設時に改めて発表いたします。

イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」について

「HarvestX」は、植物工場でのイチゴの生産過程において、「植物の管理」「授粉」の自動化を行い安定生産を実現するソリューションで、2025年には「収穫」の機能追加を予定しております。独自開発により最適化されたロボット・栽培ラック・栽培レシピの組み合わせとAIによる授粉・モニタリング自動化で、安定生産と生産コストの削減を実現し、持続可能な生産システムとして世界規模での展開を目指します。

イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」の展開イメージ

“イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」の展開イメージ”

授粉ロボット「XV3」の概要

「XV3」は、イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」の中心となるロボットです。ロボティクスによる高精度な授粉とセンシング技術による環境制御によりどのような地域・環境でもイチゴ生産が可能となりました。
ロボットは、植物工場内を自動で走行する「XV3 Cart」と、データ収集用のセンサーや作業用ロボットアームを搭載した「XV3 Unit」の2つで構成され、植物工場事業会社様のニーズに合わせて容易に機能拡張・変更できる設計にしています。また、イチゴ以外の果菜類への応用を想定し、将来的な機能のアップデートに対応しています。ハードウェアを大規模に変えることなく植物工場内のロボットを進化させて自動化を進めることが可能です。

授粉・収穫ロボット「XV3」の動画


HarvestX株式会社について

HarvestX株式会社は、植物工場におけるイチゴなど授粉を必要とする果菜類の完全自動栽培を目指す東京大学発スタートアップです。ロボティクスやAIを専門とするメンバーによって2018年に大学でスタートしたHarvestXは、「植物工場では授粉が必要な果実の生産が難しい」という課題にフォーカスして研究を進め、世界初のロボットによるイチゴの授粉に成功しました。
「未来の世代に、豊かな食を。」をミッションに掲げるHarvestXは、ロボティクスやAI技術を活用し、持続可能な農業の実現のためのソリューションを開発・提供して参ります。